日本の施設園芸や環境制御技術がオランダやスペインなどのEU諸国と比べて惨敗といえるほど遅れを取ってるのはなぜだろう。
たまに地域などで開催されている施設園芸のセミナーに出ても議題になってる内容は、おそらくオランダなどが20年前に議論していたであろう事が論点になってたりすることもあります。
オランダに至っては、EU圏内での立地の良さもあり、日本とは条件は違うものの、日本の九州ほどしかない面積で、アメリカに次ぐ、農産物輸出大国だったりします。
例えば日本ではチラホラ反収50tのトマトを収穫したという話もありますが、オランダでは200tは理論上いけるよねみたいな話になってたりして、レベチの世界です。。
もちろん、国策として、トマトやパプリカを集中的に選択してそこに人材も技術も投下してることで、急激な発展をしたりという事はあるものの、、、
まぁオランダは最近、その選択の集中によって、トマトの過剰生産に繋がって価格が暴落したり、スペインなどの技術台頭により少しずつオランダ神話が崩れつつあるような話も聞いたりするので、集中して突き抜ける事で相対的に負の影響が出るのもまた考えものだったりと難しい問題ですが、、
にしても、日本の工業技術を持ってしてここまで遅れるのは間違いなく何かしらの要因があるはずで、、
しかも日本がオランダなどとそもそも違う方針を示していて、施設園芸が向かっている方向が全く別なら何も問題ないんですが、、、明らかに目指しているところはオランダスタイルだったりします。。
最近日本型の最新ハウスの話も聞きますが、オランダ式のハウスがどうとか、スペイン式のハウスがどうとか、、メインはやはりヨーロッパ諸国の施設です。
本当綺麗に、オランダから20-30年遅れてレールを走っている感覚です。
施設園芸で農業を始める時に莫大な金額が必要となるのはしょうがないとは思いますが、それにしても農産物の販売単価から考えるとそもそも収支合わない無理ゲーをどう跳ね除けるかみたいな戦いがスタートなので、、、農業=ギャンブルみたいに言われるでしょう(僕はそんな事思いませんが)。
細かく見てくと、それぞれの機械メーカーがメイン数社でほぼ独占してたり、農業の衰退が影響しているのか、ほぼ競争競合がいなかったりとか、そりゃ価格安くならないですよね。むしろ部材の高騰で年々農業機械は高くなる一方で、これから当面は施設園芸を始めるハードルは下がらないと感じています。
環境制御技術も開発メーカー以外の機械との親和性が悪かったりして、農業者が1つのメーカーに依存せざるを得ないのも業界の競争性が失われる原因の1つだとも感じます。
先日メーカーさんと話していたときに、ざっくりしたイメージで言うと、理想はやっぱりホームセンターやアマゾンとかで普通に売っている機器類の組み合わせで全てを補完できる事だと思うんですよね、みたいな話をした時に、その担当者さんも同意だと言っていて、、
その時はちょっと感動しました。きっと、メーカーさんなどからするとそう言った話ってある意味タブーだったりするし、、、でも農業者は少なからずメーカーに依存してお世話になっているという気持ちと反面、そういった価格競争が起こりずらい業界の構造から間接的に経営が圧迫されたりするわけですから、、
なので、僕にできる事は今関係している業者さんなり、現場レベルで、少しずつ関係性を築いたり、腹を割って相談する事で、今抱えてるジレンマを少しずつ解消して、農業者自身も、関係する業者さんにもメリットを享受できる道を地道に探す事だと感じています。
きっと良い結果は出ると信じて、改めて少しずつ進んでいこうと感じたとある日の出来事でした。