農業を魅力あるもの価値あるものだと理解してもらい、新しい生産者や人材が増えてほしい、僕も何かできることがないか一生懸命模索します。
生産者としての身の振り方を考えて農業界の動向や農産物の需要などの動き、世界の食事情などをできる限り収集する様にしていますが、、、
調べていくとどうしてもマイナス面の話ばかり目に入ってきます。
最近、農業生産者の先輩方の凄さをヒシヒシと感じるようになってきました。
食料自給率が低いとか農業者人口が減っているとか言われる。
一方で、温暖な年には市場の作物が過剰生産で飽和状態になり価格の下落により生産者が大打撃を受けたり仕方なく畑で作物を潰したりされています。
前者で捉えると、これからの生産現場は衰退するので、積極的に規模拡大に舵を切ってもいいかもしれません。
しかし、後者で見れば規模拡大は大きなリスクになるんじゃないかとも捉えられます。難しいですね。
国内消費を見ると、例えば主食であるお米の需要量が毎年10万tずつ減っているそうです。そうすると政策として「米は過剰」を前提とした対策がとられます。
田んぼでお米以外作ってくださいっていう誘導だったりが現に行われていたりします。
全体像を数値で見ると、米は過剰と判断できるのですが、実際現場の声を聞いてみると「離農が進んでる」とか「意欲的な担い手はいても日本の地形上の問題で土地集約が限界で生産性が落ちている」などの声があったりと逆の声が聞かれたりするそうです。
なので、最近は過剰なのか不足なのかという視点だけで数値を見ないように気を付けようと思っています。
きっとそこには株価のローソク足を見るのと同様に人の心理も含める必要があると感じます。もちろん農家の減少ペースや農産物の需要がどのペースで進むかという長期スパンでの傾向を見ることも併せて必要ですよね。。
全国の農業者も僕と同じような苦悩や方向性で悩んだり舵をどう切るか常に考えているはずで、人によっては「米が安い」「天災が怖い」「米の需要が減っている」などを強く感じている人は離農を決意するかもしれません。メディアの報道なども相まって『農業=衰退』みたいなバイアスが強くかかれば、更に離農者が増える可能性もあります。
そして逆にそうした人の心理を理解したうえで、チャンスが来ると思って規模拡大に踏み切る生産者もいると思います。
これはどちらも正解なんてないし、蓋を開けてみないと分からない側面もあるので、株よりも難しいかもしれませんね、、
そして、農業界全体や食のことを考えたときに防がなきゃいけないのは、生産者の減少云々よりも、国民の食を守るという事なので、、、
農業=衰退、需要の減少、担い手の不足、、、、などなどの負の側面が悪いスパイラルで加速することで、国の防止策よりも速いスピードで離農者が増えたり、新規就農者が減ってしまったりすることだけは防がなくてはいけないと思います。
きっと、そういった負のバイアスさえかからなければ、日本の農業はまだまだ可能性の宝庫だし、一時的な衰退は国の適切な施策などで防ぎながら、堅牢に伸びていくと思っています。
僕も生産者として農業に携わっていく以上、規模拡大などの経営判断が近い将来自分ごととして降りかかってきますし、その際は今以上のリスク管理と覚悟が必要になります。その時に自信を持って決断できるように沢山吸収していきます。