今日のテーマは「水分ストレス④」です。
植物の細胞内(動物もですが)に「ミトコンドリア」という器官があります。
細胞での呼吸はこのミトコンドリアで行われています。
そしてミトコンドリアでは、光合成産物である有機物(グルコースなどの糖類)が無機物(水や二酸化炭素)に分解されます(呼吸)。
この分解の過程で、エネルギーが出ます。
そのエネルギーを取り込んで、蓄える形をとりながらATP合成酵素の働きにより、「ADP(アデノシン二リン酸)」と「りん酸」が結合して、『ATP(アデノシン三リン酸)』が合成されます。
このATPには1モル当たり、10kcalほどのエネルギーがあるとかないとか!
ちなみに哺乳類の骨格筋100グラム当たり0.4グラム程度のATPが存在するらしいですよ!
モル質量が気になる人は計算はしてみて下さい!化学は嫌いです!笑
んでんで、このATPを、また「ADP」と「りん酸」に分解して、エネルギーを放出することで、動植物が生きるために必要な運動エネルギーを取り出したりするんだって!(なんか凄い!)
体内中に隅々までたくさん存在するミトコンドリアでは、糖などの有機物を原料として、『 ATP ⇐⇒ ADP+りん酸 』をひたすら行ったり来たりすることで、生き物は生きているので、ATPは「エネルギーの通貨」と呼ばれているそうです!かっこいい!
話が膨らみ過ぎましたが、この生命活動が盛んに行われている場所が、細胞内の「ミトコンドリア」です。
そしてミトコンドリアでは光合成で作られた糖が前述のとおり分解・代謝されます。
糖が代謝されるということは、かなり単純に言うと「甘さ」が下がるということです。
そして、今回のテーマ「水分ストレス」に絡めると、、、、
トマトに水分ストレスを与えると、細胞浸透圧が上昇して、そのストレスで細胞活性が低下して、ミトコンドリアの破壊につながることがあるそうです(ナメクジに塩状態)。
破壊と聞くと、やばい感じに聞こえますが、
ミトコンドリアの破壊 = 糖の代謝が起こらない。
トマトの細胞内に糖がそのまま残る = 糖が多い = 『甘いトマトになる!!』
ということに繋がるようです(諸説文献はあります)。
ただし、糖の代謝によるエネルギーが取り出せないということは、生命活動に必要なエネルギーが少なくなるということなので、例えば、植物体が大きくなれないなどの弊害も出てくるので、やっぱり一長一短です。。。
なので、やっぱりそこを乗り越えて生まれてきた「甘い」「美味しい」トマトは価値がある!農家さんの努力や想い、苦労は価値に値するなあと、心から思いますーー
といったように、これまで4回の投稿に分けてトマトに水分ストレスを与えるとどうなるのか、なぜ甘くなるのかといったことを、少し突っ込んで書いてみました。
調べていくうちに、「美味しいトマトとは何か」の定義が自分の中で少し明確になりました。
ただ単に、糖度の高いトマトを目指すのではなく、もう少し自分の中で「こんなこだわりで作りました!」を明確にして、消費者の皆様に伝えられるように精進したいと思います。
しかし、この投稿自体が、消費者の皆さんが全く興味のない内容であることは否めないですが、その辺は見逃してください!笑
引き続き、日々の生活と勉強した内容の投稿をしていきたいと思います!
それじゃ、まったねーーーー!