第2章【融資との戦い】

【第2章】6話(2)~茨の道~

投稿日:2020-05-15 更新日:

さて、「熱意のゴリ推し」という諦めの悪い男が特有で持っている特殊技術をこれでもかと叩きつけ、なんとか「就農に向けた会議」を開催させた。

未だ会社員として働く謎の男が「農業をします」とただただ暑苦しく語っていた。

語っていたといっても「農業します」という熱意をロボットのように繰り返すことしか能が無かったので相当タチが悪い。

ちなみに、謎の暑苦しいだけの男のために集まってくれた方々は、錚々たる顔ぶれ。。融資の決定権を持っていそうな方もいて(この時点でそんな方が来てくれたのって今思えば奇跡?笑)アピールの場としては絶好のチャンス。。

その場で、まず聞かれたのは「農業をする理由はなんですか?」だった。

まあ普通の質問。

でも当の熱男は、そもそも「農業がしたい!」「農業が好き!」「自然が好き!」などのウケが良さそうな理由は一切持ち合わせていなかった。

そんな感情は一切無く、なんなら農業は嫌いな部類だった。

なのでやはり「農業がしたい」ではなく「農業をします」だった。

でもそんな事、口が裂けても言えるわけが無く、どうにかこうにか嘘に嘘を重ね、それらしい理由をツラツラと伝えた。

「30歳を目前にしてワークライフバランスを考えた結果、農業を志すに至りました」「農業の衰退を見て農業界を変えたいと思いました」「新しい農業を目指します」

。。。。。

。。。。。

こんなやつに農業語られたら腹立つよなあ。

こんなやつに農業界変えられないよなあ。。

新しい農業ってなんやねん。農業なめてるよね熱男。

「農業は甘くないですよ」案の定、その場にいた1人から、そのようなニュアンスの指摘を受けた。

これはマズイ流れだ。。。

そう思った熱男は、流れを変えるべく動いた。

そう、手持ちの資料を見せて、それらしく見せる作戦だ。

第一弾がこれ👇(項目は念の為黒で隠しています)

その日のために準備した就農までの工程表である。

「会社員の退職から苗の植え付けまでの流れをしっかり建設的に考えていますよアピールだ」

有る事無い事を交え語ったものの、、、、、この移ろいゆく流れがハイスピードな現代において、1年、2年先の工程表なんてなんの意味があるだろうか。。。

しかし必死に伝えました。

。。。。。。。

。。。。。。。

少し流れが変わった気がした。

「よっしゃもうひと押し!」

次に出した資料がこれ👇(数値は見えないように小さくしてます)

農業始めるにあたってかかるであろう初期投資を概算し、なんちゃって経営計画を作成し、「これでも喰らえ」とばかりに叩き付きました。

ここでのテーマは、数字をできるだけ細かくして、混乱させる作戦。

。。。。。。。

。。。。。。。

「(熱男の心境)もう今日はこれで球切れだから勘弁して。。」

。。。。。。。

。。。。。。。

すると、、やる気だけは伝わったのか、少し空気感が変わったように感じました。

ところで「ふむふむ、ところで熱男さんは農業研修はどうお考えで?」

「農業をする」と決めた時点で、少しでも早く自分でスタートをしたいと思っていた熱男は、正直、農業研修をやりたくありませんでした(甘すぎる笑)。

血迷った熱男は「農業研修はやりたくない。でも約4000万の融資はして欲しい」という誰が見ても負ける発言を、極上のオブラートに包んで先方にお伝えした。

。。。。。。

。。。。。。

当たり前のように撃沈した。。。

融資の話は、「農業研修をしっかり行い、自信を持って就農できるスキルを身につけること」その段になったら改めてお話することにして、今日はお開きにしましょう。

物心がついた頃から、『死ぬことが怖い』『死の黒い影にいつも追われている』感覚を持つ、サイコパス熱男は、「早く農業をするんだ」「農業研修なんてやりたくない、早く実践させてくれ」という超絶わがままな想いを一旦胸に秘め、仕方なく農業研修の道を模索するのであった。。。

融資への道は『茨の道』になりそうである。。。。

さて、どうなる熱男。

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