農業の魅力

ミニマムを意識する~新規就農編~

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2020年からトマトの施設栽培を始めた髙田です。

今日は就農を決めた時からいつも意識していることを書きます。

端的に言うと『より最小の数値を突き止める』ということです。

早速いくつか例を挙げます。トマトの施設栽培をする上で、既に目指す方向性がが決まっていることが前提です。

①作物(1株あたり)が必要とする肥料・水などのより最小の数値を押さえる

②作物(1株あたり)を育てる上で必要となるより最小の面積を押さえる

③1人当たりで経営できるより小さい経営面積を押さえる

④メーカー企業への依存度を押さえ、より依存度とコストを最小に抑える。

他にもあるのですが、とりあえず4つです。

これらは、以下のような原体験からの思いです。

●新規就農を目指して調べていて感じたのは『工程間や各作業でのロスが多い割に作業員が多い』

●最小単位面積あたりの作業コストや最大収量などのポテンシャルをほとんど見極めないまま規模拡大をするパターンが多い(と感じた)(上記4つをほとんど数値化できていない)

●施設園芸では初期投資も高いのにランニングコストも高い(無理ゲー)

もちろんこれには経営体ごとの理由があるので、一概に問題とは思いませんし、経営規模を早期に拡大することで、雇用を生む、生産額を上げる、経営を安定させる、経営体として信用度が増すなど様々な効果があるので必要なことかと思います。

ただ個人的には、下記のように思っています。

●決して広くない日本の国土や、複雑な地形が多く農地の集約化が難しいという現状があるので単位面積当たりの生産性を上げたい

●持続可能な施設園芸の新規就農モデルが存在しないのでそもそも個人で最先端の技術を導入した現代的な施設園芸は、過酷な裏技を駆使しながら破産覚悟で飛び込まないと始められない(私はイケると確信して参入しましたがそれでもそんなに甘くなかったです。私の能力が足りてない説。)(変態性が問われる)。

●高齢化・少子化が進む日本では、昔の農家のように例えば子供に手伝ってもらったりするスタイルが形骸化していたり。高齢のパートさんや非正規雇用、他業種と比べて低賃金で労働者を雇うというのは難しくなってくる未来が間もなくやってくる

前置きが長くなりましたが、以上の理由から、最初に挙げた①~④の思想が必要と考えています。

単位面積あたりのポテンシャルを高める(①②)、イニシャルコストにはリスクを張るが、無駄の多いランニングコストを徹底的に減らして農業特有のリスクを削る(③④)です。

これ理想論を当たり前のように言ってますが農業界では結構難しかったりする気がします。

そしてなにより、詳細の説明は省略しますが副次的な効果が高いです。

①:作物(1株あたり)が必要とする肥料・水などのより最小の数値を押さえる

➞病害虫の削減に繋がる➞農薬削減

➞作物が腐りにくい・棚持ちする➞商品価値高まる、フードロスに貢献

➞土壌汚染の減少➞環境負荷低減

➞肥料の節約➞環境負荷低減、経営コスト削減、硝酸態窒素分の最小化(人体に優しい)

➞品質が上がる➞アミノ酸などの有効成分が高まる➞健康によい、美味しい

②:作物(1株あたり)を育てる上で必要となるより最小の面積を押さえる

➞栽培面積あたりの植付本数を最大化➞収量増加、高収益

➞培地等使用量の削減➞環境負荷低減、経営コスト削減

➞栽培設備柔軟性➞メーカー依存度低下➞経営コスト削減、製品への依存リスク回避

③:1人当たりで経営できるより小さい経営面積を押さえる

➞人件費のリスク最小化

➞コロナなどの新しい生活様式への対応(3密回避)

➞より責任のある人間が作物に毎日触れることで農業技術が向上する、品質が高まる、実践と改善の速度が高速化する、生産性の向上※収穫物の品質を客観視しフィードバックするための枠組みは必要と感じる

➞今後の日本の人分布を見た時に単位面積あたりの人への依存度を減らしていかないと成り立たなくなってくる

④:メーカー企業への依存度を押さえ、より依存度とコストを最小に抑える。

➞農業特に施設園芸は資材などのメーカー依存度が非常に高い。一般市場流通の範囲で手に入るものは良いが、特定のメーカーからしか仕入れられないものを使っている点数をできる限り減らす

➞基本的に①~③を数値化して押さえることができれば独自の栽培手法を構築できる➞究極のリスクヘッジ

すみません、だらだら書いていたら頭が回らなくなってきて収集つかなくなってきたので終わりますw

結局言いたいのは、日本の状況、農業界の状況などを鑑みると『より高収益で、より経営コストを削減し、より経営リスクを最小化』できる『より最小単位面積』という落とし所を掴む必要があると考えます。ということです。

製品のPMFと並行して、数年以内の早い段階でそこを掴まないと私自身が生き残っていく道は無いと思っていますし、それができない私の能力では規模拡大もするべきでないと思っています(成長します頑張ります)。

資材も年々高騰していますし、農産物の価格も不安定ですし、明るい農業の話題が今は少ないなあ感じますが、、、、、今の段階で施設園芸に挑戦する個人の方がいればその辺はよく検討したほうがいいと思います。。。

私自身としては、こういった狭い間口に挑戦する人達のモデルケースを提供できるように日々研鑽していきたいと考えます。

今日もまとまりのない個人的見解を一筆書きで失礼しました!それでは。

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