今日のテーマは「水分ストレス①」です。
いきなり当たり前のことを言いますが、トマトは植物です。
トマトが生きていくため、美味しいトマトになるためには当然ですが水分は欠かせません。
そして、私たち人間は美味しいトマトを食べたいと願っています。
トマトなんか食べたくねえっていう方は、上から読んでも下から読んでも「トマト」に免じて許してください。
人によって美味しいトマトの定義は違うと思いますが、「甘いトマト」というのは1つ人気なのではないでしょうか。
そして、この甘くて美味しいトマトを作るために農家の皆様は大変苦労して、栽培管理を行っているんです。甘いトマトが高いのは理由があるんです。
トマトを甘く育てる手法のひとつに、「水分ストレス」を意図的に与える方法があります。
凄くシンプルにいうと、体育会系のノリで、「水分制限」して、トマトの喉をカラカラにする感じですね(むむっ、分かりにくいか。。)。
前置きが長くなりました。
「水分ストレス」を与えられたトマトがどうなるか。
今日を含めた何回かの投稿に分けてお送りします。
トマトの葉には気孔と呼ばれるお口みたいなもんがありまして、気孔では蒸散と呼ばれる現象で水分を排出しています。蒸散の役割は『植物体の温度を下げる』や『蒸散により生じた樹液濃度の差で土の水分を吸う』など様々ですが、今回は割愛。
この「葉(気孔)からの蒸散量」が「与えられた水分量(根から吸水量)」が上回ると、「水分足りねえ」となって、トマトの葉や茎が萎れます。これがいわゆる「水分ストレス」がかかった状態です。
すると、トマト果実がナイスヘルプを出します。
①果実から葉や茎に水分を逆流させる。
②水分が少ないので果実は肥大しない。
結果的に、果実は本来より小さいサイズになります。
甘さの要因である果実内の糖分の絶対値は変わらないので、大きい果実より小さい果実の方が糖が凝縮されているので、甘いねんってことです。
ただ、甘くなったはいいが、果実が小さいということは、収穫量(個数×重量)が減少するので、「糖度低めで大きいトマト」より「糖度高めで小さいトマト」は値段高めになっちゃうんです。
これは品種の差や、栽培技術の差などあるので一概には言えませんが、概ねこんな整理です。
次回に続く